• 2023年9月14日
  • 2023年12月17日

食事療法②:単純糖質(二糖類・単糖類)を減らす

1.食物に含まれる炭水化物の種類

食物中に含まれる炭水化物は、大きく分けて「糖質」と「食物繊維」の分類されます。「糖質」は、単糖類、少糖類(二糖類やオリゴ糖)、多糖類があり、ヒトの消化酵素により単糖類まで分解されて小腸上皮から吸収されて、エネルギー源となります。一方で、「食物繊維」は、ヒトの消化酵素で消化されない難消化性成分であり、ほとんど小腸から吸収されずエネルギー源になりません。水溶性食物繊維は、消化管からのブドウ糖吸収を遅らせ、血糖値の急激な上昇を抑えてくれる働きがあります(図1)。

グルコース(ブドウ糖)
  全身のエネルギー源として、さまざまな細胞に取り込まれて利用されます。摂取量に依存して食後血糖が上昇します。
フルクトース(果糖
  中性脂肪や尿酸の材料として利用されます。食後血糖上昇に与える影響は少ないです。ただし、過剰摂取することで脂肪肝や体重増加を来し、インスリン抵抗性の増大から耐糖能が悪化する可能性があります。
ガラクトース
  脳や神経組織の構成成分として利用されます。食後血糖上昇に与える影響は少ないです。

図1.食物中に含まれる炭水化物の種類



2.単糖類(ブドウ糖)・二糖類(砂糖)は、食後の血糖を上昇させる

糖質の中でも、単糖類>二糖類>多糖類の順番で、食後血糖が上がりやすいことが 図2 より理解いただけるかと思います。この食後血糖上昇の強さは、それぞれの糖質が小腸から吸収される速度(ブドウ糖まで分解される時間)による違いだといえます。また、食事中に含まれるブドウ糖含有量も影響した可能性があります。ブドウ糖食は、42g全てがブドウ糖として吸収されますが、砂糖食では ショ糖 42g(ブドウ糖+果糖)の中に含まれるブドウ糖量は少なくなります。ジャガイモ食では、食物繊維(糖の吸収を遅らせる)を含む合計の重さが42gとなります(図2)。
同じ糖質量といっても、多糖類で摂取する方が、食後血糖の上昇は抑えられます。

図2.単糖類・二糖類・多糖類を摂取した後の血糖推移



3.果糖は血糖が上がりにくい ⇨ フルーツを食べると血糖が上がりにくい?

図3は、非糖尿病の若者に 5種類の食事をそれぞれ食べてもらった際の 食後の血糖変化を観察した研究です。フルーツボールに含まれる炭水化物は、 ビビンバやサンドイッチと比べると79.2gと少ないですが、砂糖が多い栄養組成となっています。砂糖(二糖類)の摂取量が多く、単糖類への分解が速い結果、ブドウ糖食に次いで食後血糖が上がったと考えられます。

図3.食事タイプ別の食後血糖変動の違い



ここで不思議に思われるのは、フルーツ(果物)には 砂糖がたくさん含まれている? という点ではないでしょうか。図4は、それぞれのフルーツに含まれる 糖質の「種類」と「割合」を示した図です。果糖以外に、ショ糖(砂糖)やブドウ糖を含んでおり、フルーツを食べ過ぎることで血糖値が増悪することが理解いただけたでしょうか。一般的に、糖尿病患者さんでは 80kcal(バナナ:1本、リンゴ:半分、みかん 2個など)が1日に食べる量の目安と言われています。
フルーツの中でもナッツ類(アーモンド、クルミ、ピスタチオなど)は、低糖質であり血糖値があがりづらい食べ物です。カロリーによる体重増加や高カリウム血症(腎機能が低下している患者さんは注意が必要)の注意は必要ですが、心血管疾患や脳卒中の危険性を下げられることも知られており、推奨されています。

図4.フツールに含まれる糖質の種類とその割合

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